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預託金の正体と、お金の「出口」戦略

  • 7月15日
  • 読了時間: 4分


一番の「謎」、預託金に向き合う


契約を無事に終えた後に待っている、実務上の大きな山。それが「預託金」の準備です。

「生命保険に入っているから、大丈夫では?」と思っていた私。しかし、実際に動き始めてみると、終活におけるお金の「出口」には、知られざるルールと難しさがありました。


 

なぜ「保険」だけでは足りないのか?


預託金とは、死後にかかる費用を事前に預けておく仕組みです。

遺品整理や葬儀、納骨など、いわゆる“待ったなしの支出”に備えるためのものです。

万が一の際にプロに確実に動いてもらうための「ガソリン代」を、あらかじめ積み込んでおくイメージです。


最初、私は自分の生命保険を充当できるのでは?と考えていました。しかし、調べていく中で分かったのは、「そもそも生命保険では第三者を受取人にすること自体が難しい」という現実でした。


また、運営会社側からしても、通常の保険金には「確実性」の壁があります。受取人の権利が強いため、支払われたお金が必ず死後事務の原資に充てられる保証がないこと。そして着金までのタイムラグです。葬儀や片付けは待ったなし。もたもたしている時間はないのです。


担当者の説明では、解決策は2つ。一つは現金を専用の「信託口座」に預ける方法、もう一つは「生命保険信託」という特殊な仕組みを使う方法でした。



やりたい時に、その手段が使えるとは限らない


生命保険信託なら、受取人を血縁者以外の第三者や運営会社にすることが可能です。月々支払うことで経済的な負担も少ないのも魅力です。ところが、ここで予期せぬ事態が起こりました。

提案いただいた保険会社側の状況により、私はこの手段を選択することができなかったのです。


「他の会社ならあるかも」と、お世話になっている保険担当の方や知人にもかなり詳しく調べていただきました。しかし、同様の「生命保険信託」という選択肢は他社にはほぼ存在しない、という厳しい現実を突きつけられました。


結局、私に取れる選択肢は「現金を預ける」方法のみでした。

「はじめて知った手段が、その時に使えない」というのは大きな教訓です。終活の手段は、社会情勢や企業の状況で変わります。一つの方法に決め打ちせず、複数の選択肢を知っておくことが、慌てないための秘訣だと痛感しました。



ハンコを押した、その後の心境


すべてに納得し、名前を書いて印を押す。


正直に言うと、押す瞬間は「いよいよ後戻りはできないな」という緊張感と、「ようやくここまで来たな」という静かな安堵感がありました。ただ、契約は「これで終わり」ではなくあくまでも一区切り。ここからは新しいフェーズに入っていきます。やっとスタートラインに立ったばかりなのです。



怪しさを払拭する「透明性」のチェックポイント


「まとまった現金を預ける」となると、やはり気になるのはその安全性です。今回、私が受け取った書類には、以下のような管理体制が明記されていました。


  • 分別管理の徹底: 預託金は運営会社の財産とは別に「信託口座」で保管され、万が一会社が倒産しても守られること。

  • 定期的な報告: 3年ごとの通知に加え、年1回、書面で保管状況の報告が届くこと。

  • 使途の明確化と返還: 見積書に内訳(撤去費・葬儀費等)が明記され、余った場合は相続人に返還されること。


こうした「お金の行方」が可視化されているかどうかが、信頼できる会社を見極める最大のポイントになります。


そのお金は、貴重な時間を浪費させないためのもの


預託金の準備を進めていたときのことです。

知人から「お子さんに何か問題があるの?」という言葉を投げかけられました。

一瞬、言葉に詰まりました。

悪意のある言葉ではないと分かっているからこそ、余計に説明が難しい問いでした。

世間ではまだ、「子どもに頼れない=何か事情がある」という前提で受け取られることが多いのかもしれません。


しかし私にとって預託金を用意することは、

子どもに「お金の工面」や「片付けの判断」といった負担を残さないための選択です。


それは“頼れないから外に出す”という消去法ではなく、

私が「終活」を始めた理由の一つでもある、「子どもの貴重な時間を浪費させないため」という考え方そのものでもあります。


プロに任せるという選択は、特別な事情を抱えた人だけのものではありません。

むしろ、残された人の時間を守るための、ひとつの合理的な方法です。


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